[The Straits Times 掲載] シンガポールのシティ・スクエア・モール、5,000万ドルの大規模改修で「割り箸のアップサイクル素材」を採用
5,000万ドルの改修を経て生まれ変わったシティ・スクエア・モールの最新情報
シンガポールのシティ・スクエア・モールは、2023年9月より約5,000万ドルを投じた大規模改修を実施しました。/ PHOTOS: TA.LE
- 改装後のシティ・スクエア・モールでは、使用済み割り箸やPETボトル、木材などのアップサイクル素材がデザインに取り入れられています。
- 約5,000万ドルを投じた改修により、新しいアトリウムの新設に加え、「Gastro Square」をはじめとする飲食エリアの拡充や、「Giggle Jungle」などの体験型施設が導入されました。
- 再利用された列車車両を活用した気候変動教育拠点「CDLエコトレイン」などを通じて、地域コミュニティにとっての「第三の場所」となることを目指しています。
シンガポール – 開業から16年が経過したショッピングモールが、オンラインショッピングの普及が進む中で、いかにして人々の記憶に残り続けるのか。
シティ・スクエア・モールは、「買い物の場」を超えた、地域に開かれた第三の空間としての役割に注力しています。
このモールは、シティ・デベロップメンツ・リミテッド(CDL)が所有・運営しており、空間デザインの刷新によって新たなテナント構成を呼び込むことを狙いとしています。
モールの広報担当者は次のように語ります。
「単なる購買の場ではなく、人々が集い、つながることのできる、活気ある“第三の場所”をつくりたいと考えました。」
改修では、2階から4階にかけて広がるアトリウム空間を刷新。
従来の四角く単調な構造を、曲線やレイヤーを活かしたダイナミックなデザインへと変更しました。
このエリアには、「Daydream Desserts」やモダン・オーストラリア料理の「The Fat Sparrow」など、新たな飲食店が入居しています。
さらに、4階にあったフードコートは地下3階へ移設され、その跡地には約24,000平方フィートの高品質な飲食エリア「Gastro Square」が誕生。
ミシュラン・ビブグルマンに選ばれたローカルの名店「Kok Sen Restaurant」などが出店しています。
改修後のモール全体の延床面積は約73万平方フィートに及びます。
空中ネット型の遊び場「Airzone」で知られる同モールは、年齢を問わず楽しめる施設づくりも強化しています。
「Gastro Square」は、モール内に設けられた高品質志向のフードエリアです。/ PHOTO: TA.LE
新たに登場したのが、屋内プレイグラウンド「Giggle Jungle」。ジャングルをテーマにした冒険型の遊び場で、子どもたちに人気の施設です。
シティ・スクエア・モールに設置された「CDLエコトレイン」 / PHOTO: CITY DEVELOPMENTS LIMITED
「第三の場所」という考え方は、モールの屋外エリアにも広がっています。
モールのプレイグラウンドの隣には、役目を終えたSMRTの列車車両を再利用した「CDLエコトレイン」が設置され、現在は気候変動について学べる教育拠点として活用されています。
このエコトレインは、単なるユニークな建築デザインにとどまりません。車内には体験型の展示やインタラクティブなコンテンツが設けられ、気候変動やサステナビリティをテーマにしたワークショップやイベントも開催されています。
シティ・スクエア・モールに設置されたCDLエコトレインには、体験型の展示やインタラクティブなコンテンツが備えられています。PHOTO: CITY DEVELOPMENTS LIMITED
これらは、シンガポール最大級のサイエンス・自然・サステナビリティ分野のソーシャルメディアプラットフォームである「Just Keep Thinking」との共同制作によるもので、特に4歳以上の子どもを含む、あらゆる世代が楽しみながら学べる内容となっています。